レジデンツはバイエルンの王家、ヴィッテルスバッハ家の居城で、その規模はヨーロッパ一大きい。1385年にステファン3世が築城を開始、その後19世紀にかけて大幅な増改築が繰り返された。その結果、レジデンツはルネサンス、バロック、ロココ、古典の各様式が混在する複雑な造りになっている。ここは6つの館をもち、それらは3つのグループに分けられる。マックス・ヨーゼフ広場に面する王宮、レジデンツ通りに面する旧王宮、ホーフガルテン(宮廷庭園)に面する大広間の館と。現在、レジデンツは4つの博物館、2つの劇場、2つのコンサートホールとして利用されている。このレジデンツで有名なものの一つがアンティクヴァリウム(考古館)。これはヨーロッパ最大のルネサンス建築の一つ(奥行き69m)である。ペーター・カンディード作。ここにはギリシャ、ローマ時代の胸像、彫像が並べられている。また祖先画ギャラリーも華麗。ヴィッテルスバッハの泉は最も美しい噴水として知られる。この宮殿にはフランス皇帝ナポレオン、ゲーテ、モーツァルトなども訪れているが、バイエルン王国最後の王ルートヴィヒ3世が退位したあと2年後には博物館として公開されている。 |